ウェルビーみのお センターハウス
場所：大阪府箕面市
竣工：2023
用途：事務所・案内所
敷地面積：40,274㎡
建築面積：657㎡
延床面積：681㎡
階数：2階
構造：木造一部鉄骨造
協働：建築 アルファ建築設計事務所、Style-A
構造 片岡構造
設備 T2設備設計
外構 晴雨ランドスケープ
照明 アカリ・アンド・デザイン
ファブリック Studio Akane Moriyama
施工：大林道路・花谷建設
写真：児玉悠
浮遊する小さなイエ
総合住宅展示場を展開されているABCハウジングの大阪府箕面市での新プロジェクトで、センターハウスは会場案内や休憩スペース、キッズコーナー、相談カウンターなどの機能を持つ共用棟の１つです。
従来の住宅展示場とは異なり、カフェやグリーンショップ、アスレチック、ライフスタイルを体感できる住まいなど複合型施設であり、いつでも自由に出入りできる公園のような居場所として計画されています。
その中心に建つセンターハウスは周囲に開いて、訪れる人々が気兼ねなく利用できる施設が求められました。
敷地は幹線道路沿いではあるものの一歩入ると背景に山が見え、田んぼが広がり、敷地の隣のため池には野鳥や魚など多様な生き物の住処となっている豊かな自然と都市化が共生している場所です。
自然と都市が共存する箕面にふさわしい、自然と都市の共生を表すような建築にしたいと考えました。
住宅や都市を表す「小さなイエ」が集まり、それらが間仕切りのない平面に大小の空間をつくり、光や風を取込み、木漏れ日溢れる森のように木でつくられたやさしい空間をイメージしました。
センターハウスはその名の通り会場の中心に建っているため、様々な方向から人々を迎え入れるように裏が無く、ころんとした多角形の平面計画としています。
建物の外周は大きく開け放てる建具として、外から地続きでどこからでも入れる土間のように誰もが入りやすい計画としています。
仕切りの無い内部空間は浮遊する「小さなイエ」で切り取られた様々な空間を持っています。
ライブラリーコーナーや待合、ワークスペースなどの「小さなイエ」は天井を折り上げたように大きな空間をつくり、天井が高く居心地のよい居場所をつくっています。
相談コーナーの「小さなイエ」は床から1.0ｍまで下ろしてすこしプライベートな空間をつくったり、キッズコーナーの「小さなイエ」は秘密基地のように上下にこどもだけの居場所をつくっています。
「小さなイエ」はそれぞれ窓が付いており、自然の光や風を取込む環境装置として機能しています。
構造としても役割を持っており、接地している「小さなイエ」やコンクリート躯体で持ち上げられた「小さなイエ」で地震力を担い、その他の「小さなイエ」は鉛直力のみをトラス柱と呼んでいる１本の柱で支えることで、空間に自由度と浮遊感を与えています。
この春にオープンして以来、多くの家族連れが訪れ、センターハウスも小さなお子さんからお年寄りまで思い思いに居場所を見つけて過ごされています。
このような街の新しい居場所をつくるプロジェクトに携わることが出来て嬉しく思っています。
